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2016年11月13日

神は天使を送って 

 

 

『あなたは主を避け所とし、いと高き者をすまいとしたので、災はあなたに臨まず、悩みはあなたの天幕に近づくことはない。これは主があなたのために天使たちに命じて、あなたの歩むすべての道で、あなたを守らせられるからである。彼らはその手で、あなたをささえ、石に打ちつけることのないようにする』。(詩篇91篇9節)

 

 

 この詩篇91篇1節に、「隠れ場に住む人、全能者の陰にやどる人は、主に言うであろう、わが避け所、わが城、わが信頼しまつるわが神」とあります。また4節には「主はその羽をもって、あなたをおおわれる。あなたはその翼の下に避け所を得るであろう。そのまことは大盾、また小盾である」とあります。つまり、どんなときでも神を避け所として信頼していくなら、「あなたをかりゅうどのわなと、恐ろしい疫病から助けだされる」というのです。また、「夜の恐ろしい物」をも、昼に飛んでくる矢をも恐れることはない」とあります。それは神が天使をもって守ってくださるからですもって守ってくださるからです。

 

そして、「たとい千人はあなたのかたわらに倒れ、万人はあなたの右に倒れても、その災はあなたに近づくことはない」とあります。それは、「主を避け所として、いと高き者をすまいとしたので、災はあなたに臨まず、あにゃみはあなたの天幕に近づくことはない」とあるとおりです。っですからわたしたちは、どんなときでも全能者の陰にやどり、神を避け所としていくことが大切です。なぜなら、「主があなたのために天使たちに命じて、あなたの歩むすべての道であなたを守らせられるからである」とあります。なんと力強い言葉ではありませんか。

 

こんな話があります。ある人が山に登ったとき、足をすべらせて谷底までまっ逆さまに落ちましたが、途中で木の枝にひっかかって命拾いしました。そのときその人は「運がよかった」と喜びましたが、それから数日後に夢を見たのです。その夢は、この間、谷底にまっ逆さまに落ちたときと全く同じ夢だったのです。ただ違ったのは、木の枝にひっかかる前に天使が両手を広げて抱き留めてくれていたのです。そこでその人は、自分が助かったのは運がよかったのではない、自分の見えないところで神が救ってくれたことを悟ったのです。

 

わたしたちも今日まで、いろいろなところを通されたかもしれませんが、無事でこられたのは、運がよかったのではなく、神がわたしたちを見えないところで守っていてくださったからです。

 

今日は11月13日ですが、この日はわたしにとっては忘れられない日です。それはちょうど8年前の11月13日に裏山で遭難して、もう少しで命を落とすところでした。

紅葉を見ようと森林植物園に妻と一緒に行きました。神戸電鉄で北鈴蘭台まで行き、それから徒歩で森林植物園に行きました。池のほとり紅葉を見ながら、途中コンビニで買った弁当を食べ、それから修保ヶ原を経由して下山しました。ところが、再度参道の途中の少し急な坂で足が止まらなくなりました。

 

このままでは転んだら大怪我をすると、山の崖緑に体当たりして止めようとしましたが、撥飛ばされて側溝の中に落ちて気を失ってしまいました。頭からどれだけの出血をしたのかわたしには分かりませんが、妻の話では相当の出血だったそうです。そして、どれだけの時間気を失っていたのかわかりませんが、意識を回復したときには、妻が携帯で呼んだ救急車が駆けつけて来てくれ。救急隊員が下まで降りて来てくれていました。

 

そして、更に気がつくと、上空にはヘリコプターがホバリングしていました。それは車の入れないような林道で意識不明になっているので、ヘリコプターで救急病院まで運ぶためのようでした。わたしはかすかな意識のなかで、こんなので運ばれたら大変なことになると、「もう大丈夫だから」と断って帰ってもらいました。

 

その後は、薄れいく意識のなかで、自分はいま救急車で運ばれているのだなぁと悟りましたが運ばれた先は日赤病院の緊急治療室でした。頭を八針縫い、CT検査をして、「もう帰ってもよい」と言われて帰されました。わたしはこの年(当時75歳でしたが)になるまで一度も入院したこともありませんでしたので、こんどは覚悟をしていましたが、肩透かしをくったようでした。

 

あれから8年、今日まで元気に生かされていることを感謝しています。よくテレビドラマで歩道橋の階段から突き落とされて、頭から血を流して死んでいる場面を見ますと、あのとき、もう少し当たり所が悪かったら、あれがわたしの人生の最後になっていたかもしれない、と考えることがあります。

 

あれから8年間、あの日がわたしの人生の折返点だと考えています。そして今はおまけの人生だと思っています。あの危険なときに守られたのは、わたしが運がよかったのではなく、神が天使を送って守ってくださったと感謝しています。
201611.13