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2015年2月8日

 

 

みことばの力

 

『心に植えつけられている御言を、すなおに受け入れなさい。御言には、あなたがたのたましいを救う力がある』。  
                 (ヤコブ書1章21節)

 

 

 今日は「み言葉の力」について話します。聖書のみ言葉はわたしたちに力を与えてくれます。ですから、日々聖書に親しみ、み言葉でわたしたちの霊性を養ってください。柘植不知人先生は「百のみ言葉は百人力、千のみ言葉は千人力」と語られたことは有名です。つまり聖書を読んで恵まれたみ言葉、力を受けたみ言葉を発見したら、そのところに赤い線を引いて記録したり、またメモを書き出して何度でも読み返していくなら、そのみ言葉が、その人の力になり、力強い生活を送ることができるのです。ですから、み言葉を百自分のものにしたら、その人は百人力の信仰だというのです。

 

 さて、ルカ福音書4章で、イエスはサタンの誘惑を受けたとき、聖書のみ言葉で勝利をしておられます。この話は、イエスが30歳までナザレで大工ヨセフの子としてお育ちになりました。ところが神の召しを受けて公生涯(伝道生涯)に立たれることになりました。

そこで、空腹になられたときにサタンが誘惑してきたのです。その誘惑の第一は、『そこで悪魔が言った、「もしあなたが神の子であるなら、この石に、パンになれと命じてごらんなさい」イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるのではない』と書いてある」

 

 二番目の誘惑は、「もしあなたがわたしの前にひざまずくなら、これを全部あなたのものにしてあげましょう」という誘惑でした。それに対して、イエスは答えて言われた。

「『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」

 

 三番目の誘惑は、イエスをエルサレムに連れて行き、「もしあなたが神の子であるなら、ここから下へ飛びおりてごらんなさい。・・・あなたの足が石に打ちつけられないゆおに、彼らはあなたを手でささえられるであろう」と言いました。それに対してイエスは「『主なるあなたの神を試みてはならない』といわれている」と答えられ、サタンの誘惑に勝たれたのです。

 

 さて、ここでイエスがサタンの誘惑に対して語られた三つの言葉は、イエスのオリジナルの言葉ではなく、これは旧約聖書の申命記にある言葉なのです。イエスは必ず『……』と書いてある、と言っておられます。まず第一にの誘惑のときに答えられた『人はパンだけで生きるものではない』は申命記83節にあります。また二番目の『主なるあなたの神を拝し、ただ神にもに仕えよ』は、613節にあります。また三番目の『主なるあなたの神を試みてはならない』は616節にあるみ言葉でした。

 

 ユダヤ人もそうですが、イエスも普段から申命記をよく読んでおられたので、次々と適切なみ言葉が出てきたのです。詩篇11911節に『わたしはあなたにむかって罪を犯すことのにように、心のうちにみ言葉をたくわえました』とありますが、わたしたちも普段からみ言葉に親しみ、み言葉によって魂が養われていることが大切です。そうすれば、この世の誘惑や試練に遭遇しても神から離れたり、罪を犯す様なことはありません。

 

 詩編11981節に『わが魂はあなたの救を慕って絶えいるばかりです。わたしはみ言葉によって望みをいだきます』とありますが、苦しみのどん底にあるとき、また絶望の淵にあるとき、み言葉が生きる勇気と希望を与えてくれるのです。

 

 20101013日に世界中が興奮するような出来事が起こりました。85日に南米チリ―のサンホセ炭鉱で落盤事故が起こり、33名の炭鉱夫が地下700メートルに閉じ込められ、一時は絶望視されました。そして33名の生存が確認され救出作業が行われましたが、人間が脱出できるだけの穴を掘って救出するのにはクリスマスごろまで(5ヶ月ほど)かかるのではないかと言われていました。

 

 そんな長い間、高温多湿の狭い空間の中で大丈夫だろうかと心配をしていましたが、69日目の1013日に特殊カプセルで一人ずつ救出されたのです。まさに奇跡的救出劇でした。

 

 わたしもテレビにかじりついてその救出劇を見ましたが、救出された人はみな元気でした。そして二ヶ月間も狭い坑道で、パニックが起こらなかったのが不思議に思いました。ところが、ある書き物を見て一つの答えを得たのです。それはオマールという年配の人が小型の新約聖書を持っていて、そのみ言葉を開いて「希望を捨てないように」と励ましたそうです。ですから彼はみんなから「牧師さん」と呼ばれて慕われていたそうです。つまり、み言葉によって希望が与えられて堪えられたのです。

 

 わたしたちも人生のどん底に、また絶望の淵にあるときも、み言葉がわたしたちに生きる勇気と希望を与えてくださいますから、いつもみ言葉を信じて雄々しく生かされたいものです。

                 (201528